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【取材】おばあちゃんの知恵を「継ぐ」、ゆっくりのんびりよしえ屋さんの暮らし

 

おばあちゃんの知恵を守りたい人、そして限りなくフリーランスに近い「無職」の人。

週末にはお店をあけて、その他の日は畑をやったり全国を飛び回ったり…。

 

松本でガレージセールをし続けていたら出会ったという2人組の生活は、今風にいえば「ロハスな暮らし」なんていう風にくくれるのかもしれないけれど、なんだかジャンル分けできないおもしろさです。

 

とにかくもう、謎しかない。

 

田舎暮らしのその日暮らし? 

話半分面白半分…なんて思ってはいけません。

案外深い、暮らしのヒントがあるかもしれませんよ。

 

いや、あるはずだ。

 

ということで、彼らが週末だけゆるくオープンしているお店、よしえ屋さんにお邪魔してきました。

 

 

 

きょうのknower(たち)

吉江 彩(よしえ あや)

松本市出身

現在和合さんとねこと3人で、旧奈川村・旧波田町・松本市街地の贅沢3拠点居住をしている。

よしえ屋店長

 

和合 廣明(わごう ひろあき)

1973年生まれ 松本市波田出身

働き者の「無職」

 

 

 

この場所の楽しみ方

歴史を感じる

おみやげを買う

珈琲焙煎ワークショップに参加する

のんびりする

時間に余裕を持ってきてください

 

 

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この写真に写っている丸太を切ったものはスウェーディッシュトーチというもので、中央に火を点けるとアウトドアで料理などがたのしめる優れものです。こちら、よしえ屋さんで販売中。


 

 

 

よしえ屋のこれまで

ーー名前の由来を教えてください。

吉江さん:地域のおじちゃんたちが読める名前にしたくて。カタカナのかっこいい名前とかじゃなくて、屋号とか昔の人の名前とかを使えたらいいなあ〜と思ってて、そんで「よしえ屋」になりました。

 

ーーちょっと「よしえあや」とかけてますか?

吉江さん:かけてない(笑) 偶然。自分の名前つけたみたいになってるからね、今(笑)

 

 

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ーーなんでこの場所を見つけたのでしょうか

吉江さん:もともとずっと空き家を探してて、新築とかよりも、今あるものを活かしたくて。で、探してたらあるときにここが親戚の家ってことが発覚して。他に目をつけていた場所はあったんだけど、「とにかくおさえよう!」みたいな。

親戚の大家さんに、今何してるかとかを話したらすごく盛り上がって。いろいろわかってくれて、貸す、借りたい、貸します!みたいな話になったから、もういろいろ考えずに決めた感じです。

場所が見つかったからもう、逃すまいとして(笑)

 

和合さん:もともとあやのひいおじいさんの家なんだよね?お父さんのほうの。

 

ーー遡っても「吉江さん」の家だったんですね!

吉江さん:だからわたしが名字が変わったり、いろんな名字になったりいろんな名前になってもここは吉江さんち

はじまりに吉江 伴之丞(よしえ ばんのじょう)って人がいて…

 

 

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壮大だった


 

吉江さん:大家さんは、柱切らなければ何してもいいよ、きれいにしてくれればいいって言ってくれて。

 

和合さん:まあきれいになってるかっていえば謎だけど…

 

吉江さん:でもいろんな発見がされてる。このうちから。歴史的価値というか。

お金にしたらそんなにないかもしれないけど、暮らしぶりというか、息づかいというか…そういうのがこんなに見えるとこってないもんね。

 

 

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壁や天井をはがしていると、その奥からなんと江戸時代の建築様式が出現。

天井に使われているのはへぎ板という技術で、今では復元できる職人さんもほとんどいない技術だそうです。

和合さんいわく、もともとは長屋だったのではないか、とのこと。


 

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 絵本にでてくる家

吉江さん:とにかく、そんな感じで借りだしたんだよね。それでガレージセールをずっとやって…(笑)

 

ーーガレージセールを…。はじめは吉江さん一人で活動していたんですよね。どうして和合さんが参加し始めたのでしょうか?

吉江さん:わたしがずっとここをちまっと、ガレージセールで売るものがなくなっても開けて、漬物売ったりしてたんだけど、ある日和合さんが友達を連れて大好きな物件巡りをしてて。そしたらこの家が、高校生のときからずっと大好きな家だったっていう。

 

ーーへえ〜〜!

和合さん:『ちいさいおうち 』って知ってる?これの、ちいさいおうちみたいじゃない?

 

 

和合さん:ちいさいおうちのこの感じ。ここの隣に井上デパートの廃墟があるのが、絵本のこの感じみたいだなって。

 

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ーーえーー!すごい。この本昔読んでたなあ〜!

 


カメラ担当のなかざわが激しく共感。


 

吉江さん:よしえ屋始まって以来くらいにわかり合ってるねえ〜(笑)

 

和合さん:おれはこの本をこどものころからずっと読んでて、この家がずっと高校生くらいから、『ちいさいおうち』のちいさいおうちみたいだなって思ってたの。

 

 

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和合さん:それでことあるごとに、松本の一番やばい建物だって友達とかに紹介してたんだけど、ある日そこが空き家からのれんが下がってて、着物着た子がいて、「あれ??」って。「何してるの」っていったら、「漬物売ってる」っていうから、どんな漬物って言ったら「ちょっと今ないんだけど」て言われて、

「何言ってるんだろうこの人…?」みたいな(笑)

聞いたらおばあちゃんのやり方を継ごうとしてやってるんだって。「それはおもしろいじゃないか」って手伝うようになった。

 

吉江さん:今までは「こうしたいなあ」「なんか良くしたいなあ」って思うんだけど、知恵がなかったり体力というかパワーが足りなかったりして出来なくて。それが和合さん登場により、壁をはいだりとかそういうことができて、今こんな建物のかっこいいところが見れるようになったっていう。ありがたい。

とにかく和合さんは会った日から面白すぎて、人生が楽しくなっちゃったから(笑)

 

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ドラマがあるなあ。


 

 

 

テーマは「継ぐ」

ーー推しポイントや、ここにきたら是非みてほしいところはありますか?

吉江さん:徐々になにかが変わっていくところ(笑)

のれんの刺繍とかが毎週わずかに成長しているところとか…(笑)

 

 

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途中


 

和合さん:そういえばそういう着眼点で捉えたことなかったなあ。逆に教えて欲しいね。ハハハ。推しポイントはね〜漬物とかじゃないかなぁ。漬物とかそういうものがあるっていうこととかさ。

 

吉江さん:そうだね、おばあちゃんたちが滅びたらなくなってしまう漬物とか。ここもだけどね、この建物も、ほんとにいつでも駐車場になれるし、なるべきだったかもしれないのになぜかここだけ残っているっていう、ねえ。

 

 

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ーーテーマはありますか?

吉江さん:「継ぐ」と、「できるだけ帰さない」です(笑)。できるだけ帰さない(笑)、 回転しない(笑)

 

ーー回転率の低い店(笑)

吉江さん:回転しない!遅い!みたいのは変えない笑 徹底して(笑) 自信をもってやっていく。まあ自信は失いますけど…

 

和合さん:そうだね。あやのテーマが「継ぐ」だから、継いでる感じを楽しんでくれたらいいのかな。

 

吉江さん:歴史を感じる

 

和合さん:結構「継ぐ」っていうのもさ、わりとないファクターだから。生活の中に。今ね、「つくる」とか「つながる」とかさ、そういうのはさ、わりと一般に出てきていると思うけど、「継ぐ」ってないと思うんだよね。

実は一番面倒くさいかもしれないね。一番面倒くさくて方法が確立されていないものかもしれないね、「継ぐ」って。

 

吉江さん:自分勝手にやったほうが、楽っちゃ楽だもんね。

 

 

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ーー「継ぐ」に関して自分たちで決めてるルールみたいなものはありますか?

吉江さん:お年寄り

 

和合さん:知恵とか技術を持ってる人たちとの時間をできるだけ多く共有するというか、その人たちの話を先入観なしに聞くというか。

 

吉江さん:一緒にやるとかね。それで住んじゃったしね。

 

 

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吉江さんは旧奈川村のおばあちゃんの家に住んで、家を守ったり畑仕事をしたりしている。


 

吉江さん:住まないとね、わかんないからね。

 

 

 

勝手にやってみる

 

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和合さん:でね。あとはね、勝手にやってみるってのもね、いいと思う笑

 

ーーオッ

和合さん:おれね、思うんだけど、「継ぐ」っていうとなんかさあその、いろんなルールがありそうじゃん。漬物はこうじゃなきゃいけないとか。

漬物くらいだったらいいんだけど、昔のことを復元しようとすると大学の教授レベルの知識とか、職人レベルの修行とか、そういうものが必要そうな感じになるんだけど、とりあえず完成度10%でもいいからやってみるって大事だと思うね。(笑)

で、やってみないとさ、どこがわかんないのかわかんないから。

やってみてまた年寄りに聞けるっていう恵まれた環境にいるから、とりあえずやってみるっていうか、手を動かすっていうかね。

その座布団、これ「こんなんだっけな?」っていうイメージで作ったもんだけどさ(笑)

そういうのもさ、多分「こうじゃなきゃいけない」っていうやり方があると思うんだけど、なんか「やってみる」ってことが大事かな。

 

 

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適当にやってるよ、という風体ではありますが、実はいろいろなことに詳しい和合さん。

「ちょっとやってみた」でこんなに色々できるものなのでしょうか。

和合さんの言う「無職」というのは、実はかなり広義なのではないかという気に…。

農業だけにとどまらず実は様々な業種を含む「百姓」という言葉的のもつ意味合いに近いものなのではないのか、実は「何でも屋」ということではないのかなどと、だんだんと「無職」の概念があやふやに…。


 

 

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和合さん:この板だってさ、知らないんだよ。youtubeでみてさ、「こんな感じ??」みたいな(笑)だけど、やってみることには価値があると思う。

 

吉江さん:そしたら次聞きにいけるね。

 

和合さん:そして、やってるとまたその情報が集まってくる。これはこうなんだよ、とか詳しい人ってやっぱいて。

 

 

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とにかくやってみる。そして突然縄を綯う和合さん。


 

 

 

よしえ屋のこだわり

ーーなにかこだわっていることはありますか?

 

 

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吉江さん:当たり前にあるべきものっていうのを、当たり前の顔して、偏見なく出したいというか…

 

和合さん:うん、なかなか言葉にしようとするとむずかしいね。

 

吉江さん:今や当たり前じゃなくなってる基準のものってたくさんあるから。おいしい水があるとか、おいしい野菜があるとか。生きるベースみたいなところ。そこにお金出してまで欲しい人がいっぱいいて、でもそれは自分たちとか、たとえば松本とか奈川にいれば当たり前にできたり、そこにあったりする豊かさというか。

だから、それを提供したいというところは譲らないみたいな。笑

でもこだわりというよりは、「そうじゃないと生きれない」みたいなことなのかも…?

 

 

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吉江さん:あ!こだわりは、山の一部を切り取ってくるようにしています。草とかさ、お花とか木とか、できるだけ野にあるものを使いたい

 

和合さん:そういうことでいうと、こだわりといえばこだわりかもしれないね。右から左に流通させるだけじゃないってことだよね。仕入れたものをただ売るとかじゃない。多分ね、自家栽培したものだけを売ってる店ってなかなかないと思うよ、他にね。自分たちで作ったものだけでやってるみたいなの。あっ、コーヒー違うけど(笑)。極力そういうもので行きたいみたいのはあるよね。

 

 

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吉江さん:器用にやれば仕入れとかもぴょんぴょんできるんだろうけど。前に、観光で来たおばちゃんがさぁ、バスで上高地行った時に、「山にあって気になってた花がここにある!」みたいに言ってくれたの嬉しかったな。

 

和合さん:ああ、そんなこと言ってた人いたね。

 

吉江さん:この花なんていうんだろうって、図鑑調べたよね。絶対売ってないから。花屋さんで。雑草とか飾ってあるからね。

 

和合さん:ありのまま、みたいなね。

 

 

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ゆるり


 

 

 

コーヒー焙煎ワークショップ

 

 

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と、ここでコーヒーを焙煎するワークショップが始まりました。

 

ここでは一般的なミルを使ったものではなく、よしえ屋でしかたのしめない独自の方法で珈琲を焙煎します。

くわしいことは、来てのお楽しみ!

和合さんいわく、フィフスウェーブの珈琲が飲める、とのこと。


 

 

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このコーヒー、実はとても飲みやすくておいしい!

豆の煎り方ひとつで味が変わるのもまた面白いです。

この日はちょうど、お友達の二木くんが訪ねて来てくれました。

二木くんが淹れたコーヒーをみんなで嗜む。


 

 

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ーーなるほど、生豆買えばいいんだ!でも、焙煎することなんてなかなかないですよ。貴重な体験。

吉江さん:こんなの薬研のころには思いつかなかっただろうね。こんな使い方されるなんて。

 

ーー薬研のきもち

 

 

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ーーそういえばですが、『ちいさいおうち 』って知ってますか?

二木くん(お客さん):あっなんか昔読んだ気がするな…。沼ができるやつ??

 

和合さん:違う。そんな天変地異系の話じゃない(笑)

 

 

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よしえ屋さんのかばんの中身

 

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吉江さん:今日はないけど、いつもは山にいるから、虫刺されパッチを入れてる。

あと手ぬぐいとか、着物のときは足袋を持ってる時もあるよ。

 


吉江さんが持ち歩いている鼻笛。

鼻笛とは、鼻息で吹く笛のこと。ヒョローという音がします。音程も変えられるので、演奏も可能。

小さいお子さんにも楽しんでいただけます。詳細はたずねてみてください!


 

ーー和合さんの持ち物も気になります。

 

 

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ギミック感(?)…!


 

 


 

和合さん:「わ〜充電ないわ〜スタバいこ」みたいな時あるじゃん?だけどスタバ行ってコーヒー1杯飲み終わっても、充電は3%くらいしか増えないってのあるでしょ?

でも、20分の充電でiphoneを5~6回充電できるバッテリーは、この世にあれしかない(笑)

 

 

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そうなの!?


 

 

 


アダプアーをガバシッ!!と挿し直すと音が変わるらしいぞ。


 

和合さん:これはね、流行ると思うよ。

 


流行るかどうかは別として、これ…災害時とかすごく重宝するのでは!?という気がしました。

なんだか、持っていて損はないのではという気持ちになってきたぞ…。

和合さんいわく、ビジネスマンやノマドワーカーなら持っていた方がいい「できる男」アイテムだそう!(笑)

ポケモンGOをやりすぎてバッテリーが減ってしまう問題を抱えている人も必見!これさえあれば、一日中遊べるぞ!


 

 

 

吉江さんの一週間

 

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月 5:00〜頃起床・畑/ 12:00 〜食事・家事・畑 / 13:00〜18:00 畑・商品準備・家事 / 24:00 就寝

火 |

水 |

木 |

金  ↓

土  7:00頃起床 朝食 / 12:00 よしえ屋OPEN / 17:00 CLOSE  20:00-22:00 旧奈川村に帰宅 / 24:00就寝

日  ↓


 

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おばあちゃんの知恵を受け継ぐ

ーー着物を着ている理由はありますか?

吉江さん:着物は、ここを片付けてたらたくさん出てきた。とにかくゴミになるのがいやで…。売ったり手芸に使ってもいいけど、自分で何か活かしたいと思って。着付けは、波田に住む地域のおばちゃんが教えてくれています。

 

こういうのも含めて、土地に住んでいるおばちゃんたちがもっているはずの知恵とか技術を大事にしたいっていうか…。

 

レッスンっていって教室とかでお金を払って受けることは簡単だけど、お金じゃない人の喜ばせ方もあると思います。

お礼をするには、お金だったりモノだったり愛情だったりっていういろんなやり方があると思うけど、むしろ、お金じゃないことのほうがずっと難しいっていうか…。

でも、知識を持っているのに使いどころのないおばちゃんたちがたくさんいるから、きっとみんな嬉しいと思う。

 

ーーなるほど…。なにかをしてあげるのではなくしてもらったり、お願いするということが、逆に相手を喜ばせることもありますよね。

 

 

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そういえばこの間、今後稼ぎまくる人は稼ぎまくり、貨幣じゃない経済に移行する人はそっちに流れていくであろうという話をしたな、とふと思いました。


 

 

 

松本の気になるところ

吉江さん:なんだろうね。こないだ話してたのは、「よどみ」…?

 

ーーよどみ

吉江さん:信大(信州大学)が排出したおもしろくて楽しい人たちが松本に居ついておもしろいことをいろいろやってて。

 

和合さん:昔は、いわゆる「ちゃんとした大人になれ」っていうのがあったから、ひねくれたり劣等感をもってしまったり、それで命を絶ってしまったりとかっていう人も多かったけど、今は「いわゆるふつうの感じ」になれなくても、それを楽しめる人が増えた感じがするね。

 

吉江さん:カチッとした大人だけじゃなくて、雑っぽいよどみを楽しめる人たちがもっと出てくると思うし、自分はまだまだよどんでないな〜〜って思う。それが気になるっていうよりかは、むしろそれを楽しむっていう感じかな。

 

 

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吉江さん:それと、SNSとかみてて、好きな友達のところにいいコメントしてる人とか(笑)。松本のおもしろい人たちと仲良しの友達が気になるな〜。

 


SNSにいい感じのコメントを残している人たちが気になるらしい。


 

 

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取材を終えて

「知恵は知識にユーモアがプラスされたもの」なんだそうです。

ついついgoogleに頼りがちな昨今ですが、経験や勘は、ただものを調べただけでは永遠に手に入れることはできません。

 

知恵の使い方を知っている人たちには、人間としての「実体」のようなものを感じます。

 

 

自分のできる範囲で環境や、お年寄りや、地域の人や、いろんなものと仲良くしていこうという心がけをし、

迷ったらとりあえずやってみて、そこからフィードバックをもらう。

忙しく日常を送っていると実践する機会がなかなかないことかもしれませんが、昔ながらの知恵を持った人が滅びてからでは遅いことがたくさんあることにも気づかされます。

 

何かの対価をお金で払うっていう流れもどんどん変わっていくのかもしれない、と思ったのと同時に、それって昔に戻って行くということなのかなと思いました。

おばあちゃんたちの間には、お金じゃない人情のようなものが色濃く残っています。貨幣で解決しないという考え方って、なんにも新しい考え方ではないんですよね。

 

ほんの少しでも時間をわすれるような場に身を置くことで、ふっと楽な気持ちになれるものです。

時間を忘れて楽しむなんていう機会は、作らなければなかなかやってこないもの。

自分はのんびりしている方だと思っていたけれど、案外あわただしい暮らしをしているのかもしれないと思います。

 

取材当日、偶然「OLD IS NEW」と書かれたかばんを持っていましたが、まさによしえ屋さんの想いに重なるものがありました。

 

そんなよしえ屋さんは、今日もちょっとずつ成長しているのかもしれませんね。

 

 

それでは、また次回。ごきげんよう!

 

 

お店の情報

 

よしえ屋

住所:長野県松本市大手2-4-16

営業時間:土・日 12:00 〜18:00ごろ(くわしくはこちらをご覧ください)

 

(取材:えづれ / なかざわ 写真:なかざわ)