演劇ワークショップも三回目でございます。
何回目か参加者がいらっしゃったり、今回もはじめましての方が飛び込んでくれたり、
そんな変化も楽しみながら、開催することができました。
前回が近代の戯曲ということで、今回は現代の戯曲を実際口に出してみよう。といことで、
1990年代に岸田戯曲賞もとり、独特の文体をもつ作家さんの戯曲を取り上げてみんなで読んでみました。
今回は若者が7人出てくるお話。
今回もランダムに役を振って、読み進めてもらったのですが、7人いれば話も複雑・・・
7人いれば7人みんな違うわけで、7人それぞれ違う孤独や挫折を背負っている背景が盛り込まれているので、
初見で読み進めていくには、なかなか話や関係がみえるまで、一場、一場、消化しきれないこともありました。
しかし、参加されたみなさん、戯曲を読むことが初めての方も、物怖じをせずに、いっこ、いっこ丁寧に読んでくださいました。
今回の舞台はどこにでもあるよなバイトでお店をまわしてる、食品を扱うお店の休憩室。
あたかも自分が経験したことあるよな、自分はなくとも友達はそういうことしていたような・・・そんな設定です。
前回のような、男を待ちすぎて狂う女を囲う画家・・・のよりは、イメージがわきやすく具体的。
セリフ回しも、作家さんの独特の表現があるものの、普段に日常で使っている言い回しが多かったのではないでしょうか。
ひとり、ひとり、セリフを口にすることで、
ああ、この人がこの役を読むと、この役ってこんな感じなのかも・・・という説得力がなんだか増す瞬間が度々あり、
読んで行く中で、役もランダムにカワリバンコしましたので、
やりやすい役、いいやすいセリフ、やりづらい役、いいにくいセリフというのが、それぞれあったようでした。
戯曲の中に出てくる人は、自分に似た人はいるかもしれないし、
全然、自分の考えに及ばない人物がでてくるわけだけども、
その役の言葉を口にすることで、’’誰かの身になる’’という体験はとても貴重で、自分や他者を受け入れる一歩になりえるのかも・・・と感じました。
前回は今ではない非日常の世界。今回はよくある日常の世界と、異なったものを取り上げてみたのですが、
やる前は、日常のものの方がいいやすいセリフも多いし、とっつきやすいのかも・・・という風に持ってきてみたのですが、
実際、みなさんと読み合わせてみて、近代の三島由紀夫の戯曲の方が想像力が飛躍して読みやすそうな印象を受けたのが意外なことでした。
私たちは、どこかでリアリティーを求めているけど、きっとリアリティーは日常意外にも沢山存在していて、
だからこそ、日常で求めるリアリティーはより鮮度の高いものでないと、揺さぶられなくて、
そこで見つけたものにこそ、感動したり、感銘したりするのかもなぁ・・・と思いました。
2回を通して、戯曲に触れてみたわけですが、
作家さんによって、もちろん参加者の色によって、それぞれこんなに違うワークショップになるのか!!と楽しくやらせてもらいました。
次、いつ戯曲を読むワークショップをやるかは未定ですが、実はいろいろ、みんなに読んでもらいたい戯曲があるんです!
戯曲って一人で読むのもいいけど、みんなで読むと、いろいろ発見があるので、また企画できたらと思います。
なんとこの日は宮澤賢治さんのお誕生日でありまして、生誕120年でございます!
そこで、宮澤賢治さんの言葉を使って、なにかできたら、と考えておりますよ。
詳細は、近日中にアップしますー!!
(レポート:なすか 写真:はら)
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