こんにちはみなさま。えづれです。
諏訪で行われた「ReBuilding Center JAPAN(リビルディングセンター・ジャパン)」という場所のお披露目会に参加して参りました!
この場所のもとになっているのは、アメリカのポートランドにある「ReBuilding Center」。
建築建材の「リサイクルセンター」ですが、古材を通してコミュニティづくりにも貢献している場所なんだそうです。
私達の経営理念は「ReBuild New Culture」。
世の中に見捨てられてしまったものに、もう一度価値を見出し世の中に出していく。
"ゴミだと思っていたけど、磨いたりちょっと違う使い方をしたりしてみたら、すごく素敵になるんだ "
そんな体験をひとつ積める場所に、リビセンがなれればいいなと思っています。
そういう文化をつくりたい。
(引用元:https://camp-fire.jp/projects/view/9801)
ReBuilding Center JAPANは、松本にある本屋「栞日」さんやゲストハウス「tabi-shiro」さんなどを手がけられた、東野(あずの)さんご夫妻が中心になって動いているプロジェクト。
わたしもオレゴン州に留学していたことがあり、ポートランドは馴染み深い街でもあります。
諏訪に素敵な古材のお店ができることや、オレゴン州と信州が繋がっていることを思うとなんだかワクワク。
どういう空間になっているのか、とっても気になってまいりました。
ということで、早速行ってみましょう!
諏訪に来たらまずここ!下諏訪駅前の髪床はっこさん。
わたしは髪が短いので1〜2ヶ月に一回散髪をしているのですが、よく通っているのがこちらの床屋さん。もちろん今回も散髪していただきました。
昔ながらのものを大切にする、オーナーさんのこだわりが光るお店です。
ちなみに、下諏訪駅前はこんな感じ!前に来たときにはユーミンが流れていてとっても良かったな〜。
下諏訪にはほかにも素敵なお店がたくさん。またどこかの機会でご紹介させていただきたいなぁと思っております。
下諏訪から電車で一駅の上諏訪にやってきました。駅からはちょっと離れているんですが、通りには味のある建物がたくさん!
夕暮れ時の上諏訪を堪能しつつ、しばらく歩いていると…
着きました!一見するとただの倉…
Oh…
さ、さすが!と唸ってしまう雰囲気…。
入り口では真澄が振舞われていました。色とりどりのお猪口が並ぶ。
様々な報道陣に囲まれているのが、ReBuilding Center JAPANの代表である東野(あずの)さん。大忙しです。
「いちおう福岡出身と言っています」という東野さんは、諏訪に移住して2年目になるそう!
当時は名古屋なども候補にあったらしいのですが、様々な理由により諏訪の地を選んだのだとか。
オリジナルグッズなどの物販。くだものやお米なども。
会場では、先日の台風の被害で傷がついてしまって出荷できなくなったりんごを「村山農園」さんから買い取り、ジュースとして提供していました。
古材のみならず、あらゆるものをレスキューしているんですね。(東野さんたちは、古材や建具などを救済することをレスキューと呼んでいます。)
このりんごから絞られる生のジュースが驚くほどに美味しく、なんと2杯も頼んでしまいました。
ReBuilding Center JAPANの完成に携わった「お助け隊」のみなさん方のようす。全国各地からお手伝いに来ているそう。
こちらの手嶋さんは、なんと山口県から!休憩しつつ12時間ほどかけて運転してきたのだとか。
普段は数学を教えているとのことですが、山口県の萩市にあるrucoというゲストハウスをきっかけに東野さんと知り合ったのだそう。
ーー諏訪に来るのは何回目なんですか?
手嶋さん:諏訪に来るのは初です。昨日来て、昨日今日とオープニングのためのお手伝いをしながら諏訪に滞在して、明日帰るという感じです。
ーーどういう思い切りで…?
手嶋さん:普段は部活も担当しているので、どうしても土日とかのお休みが半日休みしかなくて…。ただ、今は学校が中間テストの時期なので、「部活がお休みで3連休でリビセンがオープンする!行くしかない!」って思って。
行動力〜
ーーちなみに今、地方で面白いことをやっているみなさんにとっても興味があるんですよ。
手嶋さん:それなら山口県の萩は結構面白いですよ。今多分、すごいアツいですね。東野さんがデザインをしたrucoっていうゲストハウスを中心に人が動いている状況で、街自体が「盛り上げていこうよ!」って頑張っている感じです。萩には移住者が多いのと、あとは山口県内でゲストハウスがだんだんと増えていっている感じで。人を呼び込んでつながりを増やしていくような動きが今、すごく強いですよ。あとは、かっこいい家具作家さんがいらっしゃったりとか。あの奥の、ちょっと会議室みたいになってるところのテーブルがあるんですけど、それは萩の作家さんが諏訪までつくりに来られたものなんです。
山口、きになる〜!
ご近所の方々:こんにちは〜。社長さん?社長だよねぇ〜(笑)。
東野さん:社長です、いちおぼく…(笑)。
ご近所の方々:みんなねぇ、消費者の会の仲間でね。きょうは賑やかだね、連休だからねえ。
東野さん:そうですね〜。友達もいるし、旅行のついでに寄ってくれてる人もいます。
ご近所の方々:片付けの時に残った鏡台のいいのとか昔使ってた茶箪笥のようなのとかね、もったいないからさぁ。捨てるんだったらここに置いてもらえればいいねぇ。
ご近所の方々:喜ぶねぇ。喜んでくれるんがいいよね。ほいじゃまたね〜。
東野さん:ありがとうございます〜!
和気あいあいとしている間に、だんだんと日が暮れてきました。
会の終了時刻である18時になったので、東野さんよりしめのごあいさつが。みんなで1階に集合です。
東野さん:これでReBuilding Center JAPANがようやくスタートできます。工事期間は約2ヶ月。7月の28日くらいから始めて、9月28日からプレオープンを開始しました。その間ほんとにたくさんの「リビセンお助け隊」の方々の協力のもと、オープンできました。多い時で40人くらい来ていただいたりとか…。のべで何人来てくれたんだろうってこの間数えたら、よくわかんなくなっちゃって、600人くらいかな?って話になって。
東野さん:ぼくが今まで作ってきたお店の中でも一番多くの人に関わってもらえたし、逆にそれくらいの人の協力がなかったらこれくらいの広さは僕らには手に負えなかったので、ほんとに感謝してます。ありがとうございます。
東野さん:ReBuilding Centerをやりたいなと思ったのが去年の10月11月ぐらいで、実際に現地に行ったのが去年の7月でした。向こうの景色に感動して、「いいなぁ」ってなってメールしたんですけど…もう、ホームページの問い合わせフォームみたいなところから…。ぼくが日本語で書いて、華南子(東野さんの奥様)が英語に訳してくれて、で、このReBuilding Centerで買ったTシャツを着て気仙沼で作業している写真とかを添付して、「リビセン大好きです!」みたいなアピールしながら…(笑)。
東野さん:今までつくってきたrucoとかマスヤとか、「日本でぼくら、古材を使ってこういう風にお店をつくってるんです」っていうことと、日本では空き家がどんどん増えてって壊されてることや環境問題の話だったりとかも織り交ぜつつ、今の日本にはReBuilding Centerみたいなものが必要で、ぼくら今までお店ずっとつくってきたけど、一旦それをやめてReBuilding Centerっていうのを始めて日本のためにやってきたいなって……なんで泣くんだかわかんないんですけど(笑)……思いました(笑)。
一同:笑
感きわまる東野さん。
東野さん:それが届いたのか単純に向こうの懐が深すぎたのかわからないけど、二つ返事でオッケーをもらって、「ロゴも使いたいんですけど」って言ったら「アシュリーがつくるからちょっと待っててね」って言われて。アシュリーだれか全然わかんないんですけど(笑)アシュリーがロゴをつくってくれて、今このロゴがあります。
東野さん:古材屋さん自体は3年前くらいからずっとやりたいなと思ってて。ぼくと華南子がずっと言ってたのは、「施主が頑張れば古材は集まる」っていう。一生懸命現場に入りこんで行って全力出してれば必要な材料とか情報は向こうからやってくると思って目の前のことをやっていたから、今まで材料に困ったことはなかったんですけど、でもこれってちょっと特殊な話だと思ってて…。
東野さん:解体現場がたまたまあって手に入れば使えるけど、古材を使いたくても買える場所はないし、売ってたとしても高かったり買いに行けないとか、ちょっと難しいところはあって。でもやっぱり古材をもっと多くの人に使って欲しいし、材の気持ち良さみたいなのも知って欲しいから、そのためには気軽に使える古材屋が必要で。
そして単純に古材屋が成り立っていけば、それだけ古材として棄てられるものが減る。それはごみが減ることだし、それまで古材が培ってきた経年変化的な味だったりとか、そこをちゃんとメンテナンスしてた人の思いだったりとか、そこに通っていた人たちの思いだったりとかそういうのもまとめてレスキューするのが古材屋ができることだと思ってて。そういったこともひっくるめてやりたいなと思って、ぼくらは始めています。
東野さん:おとといは吉祥寺にある「横尾」っていう喫茶店から古材をレスキューしてきて。2階でその一部の販売もしていて、一応値段はついているけれども、ぼくらとしては横尾のことを知っている人が買ってくれるのが一番その材がむくわれるなって思ってるから、なるべくそういうストーリーごと売りたいなと思っています。
東野さん:ここの床板は塩尻からレスキューした杉板で。直接その家の人と話ができたから、どうやってその家をつくったのかを聞けて。素朴な家だったんですけど、ちょこちょこ遊び心がきいてるし、そういう話を聞きながらレスキューできたのがすごい嬉しくて。なんか、ReBuilding Centerができることって今後どんどん出てくるかなぁって。
ここに関わってくれる人がいろいろ提案してくれたりとか、ぼくらが気づかないところを気づかせてくれる、みんなで一緒に育ててくれるお店になればいいかなぁって思ってます。
東野さん:いままでmedicalaとして仕事をやってきたのを全部一回リセットして、新しく「ReBuilding Center」っていうのを始めるにあたって仲間が増えて、5人で活動しています。めっちゃ忙しいけどなんとかお店を始めることができて、みんなほんとに頑張ってくれているので、ぼくは安心してデザインの打ち合わせのために県外に出たりもできています。
今はみんな半人前で、プロの大工もいないしプロの料理家もいないし…。ただ同じレベル感で、みんなで一緒に一生懸命前を向いて進んで行けるっていう関係はすごくいいなと思っていて。
東野さん:日本の古材の文化とかを広めていきたいけど、それはまだ全然成熟してない文化だし、それを自分らの世代からつくっていきたいなと思っているので、こういった半人前のぼくらが始めるにはいい場所なんじゃないのかなって。それが東京ではなくてこういう諏訪という場所で始められる。「諏訪は日本の中心だ」って諏訪の人は言ってて(笑)。まぁ、実際諏訪は東京や名古屋へのアクセスも良くて、新潟や日本海の方へも抜けやすい場所だから、こういったところから新しい文化みたいなものを発信できるというのは立地的にもすごく恵まれてたなぁと思います。
東野さん:まとめ方がちょっとわからなくなってきたんですけど、ReBuilding Center JAPANは10年とか20年とかをかけて、ようやく今のアメリカのReBuilding Centerに追いつくのかなぁと思っています。それくらい向こうは進んでいるというか…。進んでいると言っても技術的なものは日本と何も変わらなくて、ただその街に住んでる人の意識とそこに関わっているスタッフの意識みたいなものが、ぼくらが思ってる理想的な状態としてすでにあるっていう感じで。
東野さん:日本にはまだまだそれが足りないなっていうのを全国に行ったりいろんな人とお話する中で感じるので、アメリカにはないこういうカフェをやったりとか、ぼくがデザインの仕事を続けてくっていうことをやっていきます。
東野さん:まだまだこれから始まるばかりで前途多難ではあるんですけれども、こういう材料を使ってストーリーを引き継いで、みんなが気持ちいい暮らしができて、住むこととか生きることとかが楽しくなるような生活づくり・暮らしづくりができるような場所をここからつくっていけたらいいなと思います。ぼくらには手にあまるくらい良い場所ができたので、みんなの期待に応えられるように一歩一歩頑張っていきたいと思います。
みなさまよろしくお願いします!
一同:拍手
最後はヨッ、と一本締め!
お披露目会の終了1時間前くらいにふらりと訪れたのですが、いらっしゃったみなさんはとっても気さくで親切でした。
はじめは知っている人が誰もいなかったのに、なんだか受け入れていただけたような気がしてとっても嬉しかったです。
東野さんたちの人を呼びこむ力は本当にすごいですが、集まって和気あいあいとしている皆さんをみていると、全国どこでも「おとなりさん」のような気持ちに。
「古材」を通して、たくさんのものごとが繋がっていく。
人やモノ、思いや経験や記憶が、この瞬間に結びついていくドラマのような場面を垣間見たように思います。今生きている人も過去に生きていた人もひっくるめ、あらゆる息遣いを包み込む空間でした。
今後もReBuilding Center JAPAN及び、「ReBuild New Culture」の動きから目が離せませんね。
古いものが新しいものを引っ張っていく未来は、そう遠くないように思います。
それではまた次回、ごきげんよう!
住所:長野県諏訪市小和田3-8
TEL:0266-78-8967
《cafe》9:00-18:00
《古材売り場》11:00-19:00
定休日:年内は水・木曜日
※詳しい情報は、SNSなどでチェックしてみてください!
(取材・写真:えづれ)
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