★Creator’s File03★hanamamaさん・思い出に残るブックカバーやバレエ衣装の刺繍。ちくちくの楽しさをいろんな人に伝えたい。

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★Creator’s File03・hanamamaさん★

思い出に残るブックカバーやバレエ衣装の刺繍。ちくちくの楽しさをいろんな人に伝えたい。

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今回お話をお伺いしたhanamamaさんは、Knower(s)の壁面本棚に作品を展示していただいている、ひとはこオーナーさんです。
棚に並ぶのは、息子さんの絵を刺繍したお弁当入れや、犬のお散歩でみつけたかわいい草花を刺繍した髪ゴムなど。暮らしの中から着想を得たhanamamaさんの作品づくりについておうかがいしました。

 

ーーものづくりをはじめたきっかけは?
 「祖母が洋裁と和裁、母はレース編みや刺繍をやっていたので、子どもの頃から夏休みの自由研究は必ず手芸関係で。祖母と一緒にブラウスをつくったり、パジャマを作ったりしていました。

クラシックバレエをずっとやっていたのですが、憧れのバレリーナ・森下洋子さんの自伝が出た時に自分ではじめて本を買いました。その本があまりに大切だったので、自分でブックカバーを作ってそれに刺繍をしたんです。思い返せば、刺繍をしたのはそれがはじめてかもしれません。それから、20代でバレエの衣装を作る機会があり、刺繍をしたこともありました。”思い入れのあるものを作ったから、きちんと踊ろう”と、踊るモチベーションが高まるのを感じたし、衣装を身につけることで背筋が伸びて、パワーをもらうような感覚がありました。そんな経緯もあって、手芸はずっと好きでしたね。」

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ーーそのときの暮らしに合わせて、作るものが変化していく感じなのでしょうか?

「そうですね。管理栄養士として就職して11年ぐらい勤めて、結婚して、子どもを生むタイミングで退職して。松本に長く居たんですが、旦那さんの転勤で上田にいくことになったんです。それまでは仕事も充実していたし、踊ることが大好きでバレエとフラメンコを週5くらい踊っていたのですが、急に、なにもなくなっちゃって。 長野県内とはいえ、知らない環境で近くに知り合いもおらず、お腹も大きい状態で。はじめての出産だったので、どのように生活していいのかわからなくなった時期がありました。スタイルが定まらず、途方に暮れていたのですが、そんなとき、お腹の子におくるみを作ることを思いつきました。自分の趣味に合うパッチワークをして、そこに刺繍もしたりして。作ることは楽しく、なんだか救われるような感覚もありました。

子どもが生まれた後もやっぱり外に出られないので、子どもが泣いたらすぐにとんでいけて、 さっとできることが必要で。自分をみつめつつ、子どもの時間もとれるというのがいいなあと思っていました。」

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ーー手芸の中でも、特に刺繍に注目していったのには理由はあるのですか?
 「刺繍はうまくできないから、なんだが逆に気になっていたのかもしれないです。当時ミシンを持って無かったこともありますが、針と、糸と、布だけでできるっていうのはいいなと思いました。 刺繍の技術で、ひきしぼってギャザーをつくるスモッキングという技術があるのですが、それをみたとき、”レースじゃなくて、刺繍なんだ!”という驚きがあり、どうしてもやってみたいなあと。それから、色々なステッチを調べてちくちくとやってみるようになりました。

あと、最近考えていたんですが、管理栄養士の仕事と刺繍って似ているなあと。管理栄養士って、エネルギー・たんぱく質がこのくらいって成分値をもらい、食材・重量などいろいろなものを駆使し、数値にあてはめて料理をつくるのが仕事なんです。

刺繍は、ステッチを習得して、図案にあてはめて400種類もの糸がある中から色を選んでひと針、ひと針刺します。細かな要素を選んで、完成図を思い描きながらつくっていくのが共通して面白いのかもしれません。」

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ーー今までの活動はどんなことをされてきたのでしょうか?
「子どもが大きくなるのに合わせ、入園グッズやバザーの出展品をつくるようになったのですが、ありがたいことに色々な方に欲しいと言っていただいて。自分以外の人につくるのって楽しいなあとその頃から思うようになりました。Knower(s)の棚にも、入園・入学に使ってもらえるようなものを置いています。

上田に引っ越した後3年で飯田に転居したのですが、飯田方面には、手芸が好きなカフェや雑貨屋さんの店主が4人もいて、いろんなことを教えていただきました。カフェ・Kichen608さんで開かれる『市』に参加したことをきっかけに、教室をやらせていただいたり。春と秋に展示があって、その間に教室をやって、というようないい流れができてきていました。

でもまた、3年で転勤になって。地元の松本に帰ってきたわけなんですが、ちくちく仲間とお別れしなければならないのは寂しかったですね。松本に来てから3年たったんですが、飯田を懐かしみつつ、ラボラトリオさんのマルシェに出展したりしていました。また、フラメンコ仲間のあいちゃんに誘ってもらって、knower(s)クラフトパーティーに出展したのがきっかけでKnower(s)を知って、そのつながりから安曇野の『くらしのいろどりマルシェ』に誘ってもらったりもしました。」

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「Knower(s)で会った人は、表現しているものは違うんだけど、感動するポイントを共有できるのが嬉しいです。たとえば、刺繍のモチーフにする草や花をスケッチでおこすのですが、他愛ない道端の草、例えばエノコログサに同じように注目しているフローリストのいずみさんと共感したり。あとはイラストレーターのみかさんに著作権について教えてもらい、図案を自分でつくるようになったりと、作るものや作家としての意識も変化してきたと思います。」

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ーーものづくりを通して、大切にされていることは何でしょうか?

「諦めないことですね。やったことがある方はわかるかと思うんですが、刺繍は集中力と体力が必要です。このまえ仕上がった『山野草』という作品は、完成まで1年かかっていて、できあがって額装したときは本当に感動しました。娘を出産した時に感じた満たされる感覚に似ているなあと思ったのですが、ずっと大切にしてきたものを世の中に生み出したような達成感がすごくありました。」

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ーー今後やってみたいことは?
「いま、刺繍の資格をとっていて刺繍の先生をやりたいなあと思っています。初級・中級ととって、今は上級で、講師になるには最短でもあと2年くらいかかるのですが。上級はテキストが無いので、図案を選んで、色や刺し方といった方法は自由なんです!1年かけて作品を仕上げています。」

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「バレエをやっていたときも先生をやらせてもらったり、管理栄養士のときも講師としていろんなところに行ったりしていて、誰かに何かを伝えるのが好きなのかもしれません。Knower(s)でも、2015年の1月にくるみボタンに羊を刺繍するワークショップを開催したのですが、とても楽しくて、ちくちく仲間が増えたら嬉しいなあと思っています。ワークショップは定期的に開催していきたいと思っているので、是非ブログをチェックしてみてください。」

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「これからは、もっと技術を習得して、草や花など身近にあるかわいいものにスポットをあてて、生活に寄り添うものをつくっていきたいですね。」

(取材:花輪むつ美)

★hanamamaさんのブログはこちら!


http://stitchnote.exblog.jp/

★ひとはこオーナー募集中!
 Knower(s)では、壁面本棚で作品を展示販売していただける方を募集しています。 初回登録料は3000円(3ヶ月ごと更新)。 ご希望の方は、氏名・売りたいもの・販売開始希望時期をご記入のうえ、<hello@knowers.jp>までご連絡ください。

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