「タイニーハウスで作る未来の住まい方とは?」YADOKARI株式会社 ウエスギセイタさん KNOWERS Talk#10 

Category : EVENTS KNOWERS talk レポート

KNOWERS talkについて

KNOWERS MATSUMOTOでは、2017年6月より松本やその周辺地域において、イノベーションを提供する人や団体の話を聞き、語り合うサロンとして「KNOWERS talk」をスタートしました。12月13日に開催した第10回目のゲストはYADOKARI株式会社 共同代表取締役のウエスギセイタさん。これからの時代を豊かに生きていくために、社会が実装すべき未来について、お話しいただきました。

ダウンサイジングによる新たな産業の可能性

まず初めに、ウエスギさんの自己紹介からトークはスタート。震災後に長期ローンで家を買うか迷って、世界の状況を調べた時に、いろんな物をダウンサイジングすることで、新しい産業を創出する社会へアップデートできるんじゃないか?と感じたことが、YADOKARI創立のきっかけだったそうです。

「豊かさを考え直すきっかけとして、タイニーハウスに興味を持ったんです。ミニマリスト、断捨離、シンプルライフというキーワードを実践する手段として、小さな家に暮らすことがひとつの選択として現れてきた。現在、1-2人暮らしの世帯が60%を超える日本社会で、本当に大きな家が必要なのか?3DK、60平米以上のマイホームが実際に何年必要なのか?そういった素朴な疑問を社内で話し合ったりします。」

未来の暮らし方「動産」

ウエスギさんが紹介してくださったのは、「不動産」の不をとって「動産」に暮らすというスタイル。DIYで簡単に建てられるスウェーデンのスモールハウスや、アメリカのタイニーハウスムーブメント、日本のアクティブシニアにキャンピングカーが売れている状況など、動きながら住まうモビリティのスタイルについて、様々な事例を紹介して頂きました。

「これから10年、20年先の世界では、車と家の境界が曖昧になってくる可能性もある」というお話も興味深かったです。自動運転が当たり前になってくると、寝るときに長野でカプセルホテルの様な自室に入り、起きたら東京の会議室前に居る、という事も夢ではない。そういったパーソナルモビリティが発展していくのではないか?という未来予想。スマートフォンでテレビ電話が「普通」になるなんて20年前には想像できなかったように、すごい速度で変化する時代なんだよな、と改めて感じました。

しかし、まだまだ不動産が幅をきかせる2017年の日本松本。関係ないと思いつつ意外と関係があるのが、Yadokariで2013年より販売した初期の移動式スモールハウスの購入者層です。

「家をステータスシンボルではなく、場所の使い方に創造的な20-40代の購入者層を見込んで生産したけれど、実際にきた4000件を超える問い合わせの7割以上が60歳以上の熟年層だったんです。大きな母屋の住宅は子供に生前贈与して、自分たちは15-30平米のスモールハウスに住むという需要があった」とウエスギさん。言われてみれば、確かに。

オフグリッドの選択肢

熟年層のニーズに合わせて少し大きめなスモールハウスを開発するかたわら、小屋を使った遊休地活用の提案としてYADOKARが行ったのがデッドスペースの開発。一例として紹介してくださったのは、日本橋の駐車スペースをオリンピックまでの期間限定でイベントスペースにするミッション。2016年に「BETTARA STAND 日本橋」としてオープンし、年間260位の大小さまざまなイベントを開催しています。

「不動産から動産への移行は、建築確認申請がいらない、固定資産税が安い、移動できる、など、たくさんのメリットがありますが、必要なのは、小ささだけではありません。キッチンやバスルームの水道設備関係や、トイレの問題もあります。トレーラー住宅のような形でやっている人はいますが、実際は法律的にグレーゾーンが多いんです。それをYADOKARIではルールに則って、上下水道を着脱式にしている。インフラにつながない、オフグリッドの循環型生活というのは、エネルギー問題を向き合うためにも、自由な選択のひとつなのかもしれません。」

ウエスギさんのお話は、その後YADOKARIが運営する「未来働き方会議」のお話や、社内でパラレルキャリアや2拠点などの働き方実験をしていた事例などの紹介が続きました。タイニーハウス、動産、オフグリッド、シェアリングエコノミー、コミュニティビルド、豊かな働き方など、これからの未来を実装するためのキーワードに溢れた、刺激的な1時間でした。

 

<ゲストプロフィール>

ウエスギセイタ YADOKARI株式会社 共同代表取締役

http://yadokari.net/

1984年長野県小諸市生。法政大学キャリアデザイン学部卒。デジパ(株) 取締役を経て、住まい方と働き方の原点を問い直し、これからを考えるソーシャルデザインカンパニー「YADOKARI」創業。住まい関連の企画プロデュース、タイニーハウス小屋の開発、空き家空き地の活用、まちづくり支援などを手がける。
代表的な事例として、世界中の小さな家やミニマルライフ事例を紹介する「未来住まい方会議」、250万円の移動式タイニーハウス「INSPIRATION」や小屋型タイニーハウス「THE SKELETON HUT」、全国の遊休不動産・空き家情報を扱う「休日不動産」、新たな働き方を提案する「未来働き方会議」、動産を活用した施設「BETTARA STAND 日本橋」を企画・運営。著書に「アイム・ミニマリスト(三栄書房)」「未来住まい方会議(三輪舎)」「ニッポンの新しい小屋暮らし(光文社)」「月極本」などがある。

 

コーディネーター 佐藤壮生

アートプロジェクトの企画運営、編集/デザインを主な仕事にしている。London Metropolitan 大学BA/Spatial Arts 1st取得、東京芸術大学大学院修了。美術家の助手としてヨーロッパ各地のアートプロジェクトに参加、2012年より祖母が暮らす長野県安曇野地域に移住。鳥獣被害対策員として2年間猿を追いかけながらZINE「Sourcepanic」を発行。「北アルプス国際芸術祭」や「信濃大町あさひAIR」の企画、運営、制作に携わる。現在はKNOWERSコーディネーターの傍ら、安曇野にある祖父母の家をサイトにアートプロジェクトを構想中。

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KNOWERS TALK 2017

新しい視点で地域を切り取り伝えているデザイナー、ダブルローカルを実践しテクノロジーを駆使した企画を立ち上げる起業家、KNOWERSと同じく地域の内と外をつなぎ、新しい土地の風景をつくりだすコミュニティのファウンダ―など、さまざまな実践者の仕事やその姿勢についてお話を聞く1時間と、ゲストを囲みながらソーシャルデザインやプロジェクトについて語らう1時間、合計2時間の企画です。

 

<2017年

の開催スケジュール>(敬称略)

#01(6/7水)ゲスト:大宮透(地域創造研究所代表/一般社団法人小布施まちイノベーションHUB 事務局長)

#02(6/22木)ゲスト:ナカノヒトミ(フリーライター)

#03(7/11火)ゲスト:平賀研也(県立長野図書館長)

#04(8/10木)ゲスト:さんてん

#05(8/30水)ゲスト:土屋誠(やまなしのアートディレクター/BEEK編集長)

#06(9/12火)ゲスト:宮本総子(クローバーデザイン)

#07(10/11水)ゲスト:清水貴栄(映像作家/アートディレクター/コラージュ作家/DRAWING AND MANUAL所属)

#08(11/8水)ゲスト:たつみかずき(LODEC Japan合同会社)

#09(11/29水)ゲスト:蒲沼明(BOCCA)

#10(12/13水)ゲスト:ウエスギセイタ(YADOKARI)

 

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