お〜い!みんな〜!りんご音楽祭って知ってますか〜〜!!!
松本市を代表する現代音楽の祭典だぞ〜!
毎年規模も拡大し、いまや全国から注目されているフェスでございます!が!
2013年ごろから毎年ボランティアスタッフとして関わらせていただいているからなのか、携わっている人たちの顔がよく見えるからなのかなんなのか…こんなに大規模になった今でも、なんだか客観的になれないフェスでもあります。
今回は9月24日・25日に行われたりんご音楽祭を写真やイラストとともに振り返りつつ、その不思議な魅力について書かせていただきたいと思います。
ついつい大声をはりあげてしまいがち
そもそも、松本市は音楽にアツい土壌。
世界的に有名なイベントではセイジオザワ松本フェスティバル(旧名:サイトウキネンフェスティバル)なども毎年開催されています。
りんご音楽祭のホームページ上で、主催者の古川さん(dj sleeper)は、松本市に今後必要なピースについて音楽という観点から述べられているのですが、今や松本市からは国内外で活躍する様々なミュージシャンたちが輩出されたり、なぜか著名なアーティストのジャパンツアーに松本も組み込まれたりしている気がするので、それらの野望はすでに現実のものとなっているのでしょう…。
さまざまなところから土壌が耕されてるぞ〜
今年は総勢170組以上のアーティストが出演したというりんご音楽祭は、ポップス、ヒップホップ、ロック、テクノなど、ジャンルも知名度も超えて様々なアーティストが集結。
近頃はヒップホップ部門が特に充実しておりますが、RINGO-A-GOGOというオーディションで選出されたアーティストや、地元で活躍するアーティストのパフォーマンスにも触れることができます。
とにかく演者の数が多いので、「まさかこの人が!?」というようなブッキングがされていることも。個人的に、加山雄三さんの出演が決まった時にはかなりぐっときました。
世代を超えて楽しめる、加山雄三さんとPUNPEEさんの夢の共演。…残念ながら見逃しました。くやしいな〜
会場であるアルプス公園の形状を利用して、りんご、そば、おやき、わさび、きのこ、Red Bull Meggaなどの複数のステージで音楽を楽しむことができるので、「最近いい音楽聴いてないんだよ」なんていう人も、移動中や休憩中に、思いもよらず気に入った音楽に出会えるかもしれないという魅力が!
タイムテーブルとにらめっこしながら演奏を聴きに行ったり、いろいろな人に会ったりしていると不思議と意気揚々として、時を忘れて笑いあったりしてしまいます。
アーティストの皆さんがそこらじゅうにいて遊んでいる姿も見かけることができ、演者とお客さんの距離の近さも魅力の一つです。
ちなみにりんご音楽祭では、15歳以下と60歳以上は入場無料、東日本大震災・熊本地震の被災者の方々の一部を無料で招待する取り組みも行われています。
会場付近でキャンプもできるそうなので、詳細が気になる方はオフィシャルサイトの告知をチェックしてみてくださいね。
オリジナルグッズも充実しており、缶バッジやステッカー、タオルにTシャツ、サングラスやMA-1、そして信州が誇る七味唐辛子である「八幡屋礒五郎」とのコラボ商品までありました。
この記事を読んでくださっている方の中にはりんご音楽祭ベテランの方々も多々いらっしゃると思いますが、ここではまず、ベーシックなあれこれについてご紹介していきたいと思います。
参加するか迷っている方や松本に遊びに来たい方もぜひ参考にしてみてくださいね。
松本市は標高が高く日照時間も長いため、紫外線が強くカラッとした陽気。なんでも、市街地の標高が東京スカイツリーと同じなんだそうです!
寒くなったら食べたり踊ったり飲んだりするといいと思いますが、日が陰ると一気に気温が下がってくるので、遊び疲れた夕方頃には体が冷えてきます。慣れていないと気温差で体調を崩すことも。手軽に持ち運べる、コンパクトな防寒グッズの携帯や雨対策なども必須です。場所によってはぬかるんでいることもあるので、汚れてもいい靴を履いてくるとよいかもしれません。
屋外で過ごすことになるので、熱中症や虫刺され対策も大切です。レジャーシートや椅子などもあると良いですね。
(食べ物・飲み物の持ち込みはできませんので、ご注意ください!)
疲れた体を癒すのはやはりお風呂…!ということで、会場から車で10〜20分ほどの場所にある浅間温泉や美ヶ原温泉に行ってみるのも良いかもしれません。
ちなみに、浅間の日帰り温泉では「枇杷の湯」がおすすめです。市内には銭湯もあるので、いろいろな場所をめぐってみるのもいいかも!
毎年りんご音楽祭の時には宿が取れないという声をよく聞きます。ゲストハウスやAir BnBを活用したり、近郊の友達に泊めてもらうというのも手かもしれません。
ちなみに市内在住のわたしの激狭アパートにも、毎年2人以上は友人が宿泊していきます。修学旅行かな…?
行くと決めたら、宿は早めの予約が吉です。
こちらの写真は、最近オープンしたゲストハウス「tabi-shiro」さんです。
松本市内からは、車かバスで来られるのが良いと思います。
一度、市内からママチャリで行った年がありましたが思いの外キツかったです。辺りを見回してもママチャリは他に一台も止まっていませんでした。帰りはどうしたのか覚えていません。
最寄りの駐車場は早い時間に埋まってしまうそうなので、少し離れた駐車場に停める感じのようです。
松本駅から有料のシャトルバスが出ており、2015年まではバス内でアーティストたちによるライブが行われたりしていました。
松本市には国宝の松本城などがあり、観光地としても有名です。
今年は松本市内で遊んで欲しいという思いから、松本の気になる場所をあつめたマップを掲載したフリーペーパー「marsmoo too」特別号がリリースされ、24日の早い時間に会場にいらっしゃった方にはパンフレットと一緒に配布されました。
ちなみに市街地は一方通行が多く、駐車場がない場所もあるので、中心地を観光される方はお気をつけくださいね。こちらの写真は、駅前にある老舗の喫茶店「珈琲美学アベ」さんです。
みなさんは、りんご音楽祭は昼間だけの祭りだと思っていませんか?
違います!!!!
複数会場で行われるりんご音楽祭夜の部の前・中・後夜祭もお見逃しなく!
毎年アーティストの方々もふらっと遊びに来たりするので、思わぬ人に出会えるチャンスかも…。
駅前のクラブ。ダンスホールは地下にあるのですが、4階のラウンジスペースでもくつろいでお酒を飲んだりご飯をたべたりできるのが魅力です。
前中後夜祭全日程でイベントが行われるため、本祭で見逃してしまったアーティストのパフォーマンスにありつけるチャンスかもしれません。
駅前より少し離れた川沿いに位置するオルタナティブスペース。松本市のインディーロックカルチャーを牽引している場所だと思っております。
今年は、なぜかDJのXTALさんがトークイベントを行うなど、謎に満ちたブッキングがなされたようです。朝にはモーニングの営業もありました!
駅の近くのクラブ。異界に迷い込んだような空間で、上質な音とともに美味しいお酒が楽しめます。すこし大人向けの空間ですが、音好きの人ならば虜になってしまうことうけあい!大きい音の中でもなぜか会話ができる不思議な場所です。
駅前より少し離れた川沿いに位置する、民家を改造したクラブ。畳もあり、裸足で踊れて疲れたら眠れるという家のような場所です。
かなりハードな日程に殺されかけるので、体力と相談しながら無理のない範囲で参加してみてください。
ちなみにわたしはMOLE HALLで行われた後夜祭に参加したのですが、フロアでごりごりのヒップホップのライブが行われているさなか、ラウンジではお笑い集団「海リリリ」が繰り出すシュールなコントが行われていたり、それにツッコミをいれているアーティストの姿も…。
わたしの携帯の写真ですいませんが、りんご音楽祭のシメがこんな感じでいいのかな…?という謎さは伝わるかと思います。でもこの感じ、好きだな〜。
たしかライブ中にZEN-LA-ROCKさんも言及されていた気がしますが、松本はとにかく女子が元気です。
今年はなんと藤井隆さんもステージにあがっていました。観たかった〜!!
りんご音楽祭について語る上で忘れてはいけないのは、存在している数々の謎やみんなのエピソード。
台風や雨の予報の時でもほぼ雨が降らず天気が持ったり、主催者がアーティストや関係者から公にdisられ、ステージやSNSなどで毎年何かしら話題になったりしているのは有名(?)な話ですが、今年はなんと、りんご音楽祭のデザインを担当したSplice Designさんから「くたばれ」の旨が印字されたグッズが登場…!?
ここまでくると、もうあっぱれです!わりとみんな着てたな、これ…
数々のdisも受けつつも(?)、様々な人たちを巻き込んでしまう何かがあるのがりんご音楽祭…。
みんな愛あるぞ!ということで、独断と偏見で感想やエピソードを集めてみました。愛あるぞ〜!
まずは、第一回目からスタッフやお客さんとして参加し、りんご皆勤賞だというEさんからのコメントをご紹介!
Eさん: 某フェスの広大な敷地に比べて、非常〜にコンパクトなりんご音楽祭。 あちこちの野外フェスに通い出して14年。この規模で175組ものアーティストが出るなんてやっぱり見た事も聞いた事もない。これで1日8000円て他のフェスに比べて実は超お得なのでは??
さっきのステージで見かけた気になるあの子やどうやら来てるらしい友達の友達。何度でもすれ違ったり出来る雰囲気が魅力的。
Eさん:スチャダラパーのSHINCOさんが去年りんごに寄せてくれたコメントで 「4年振りの参加でしたが、良い意味で(悪い意味でも)変わってなくてビックリしました。」 って言ってくれていたように、スタッフは結構素人軍団で毎年準備が至らない事も多いけど、アーティストやお客さんたちの方がこの手作りフェスに順応してくれてる感じがすごくあって、楽しみ方の伸び代が大きい!って感じたのよ〜!
そしていとうせいこうさんも去年のダイジェストムービーの最後に、「えー…全くよく分からない仕切りの中…」って苦笑いしながらもコメントをしてくれてて…。大人…。ほんとみなさんの優しさによって成り立ってるなって…。
スタッフ以上に、アーティストやお客さんの学習能力が高くて抜かされ気味なとこが何とも言えない追いかけっこループ!
Eさん:参加当初は明日に備えて早く帰ろうよ!と、彼を促してた私はどこへやら。
今では旦那となった彼が呆れて先に帰り、後夜祭で気絶寝するまで踊るパーティー底力を身に付けました。
りんご音楽祭で鍛えられたこの魂、大事にしたい!
Eさん:go-goで応援していた勝ち抜いたバンド、台湾のgo-goで応援していた勝ち抜いたバンド、毎年出てくれてる仲良しバンド、突然遊びに来てくれた義母と義妹。
全員が居合わせ同時に各々から話しかけられた時は白目剥いたけど、幸せだなぁ〜という感じで話を半分聞いてなかった事も。
ほんと、いろいろな人がぎゅっと集まってしまったりするよな〜
Eさん:カメラマンの人数が圧倒的に多く、ちょっとオシャレをしたら1日に何人ものカメラマンに声をかけられ何度でも撮られてしまうのもご愛嬌。
撮れ高クイーンを目指す楽しみ方もあり。オシャレのしがいもあるってもんです。
今回の記事を書くにあたって、主催者・フォトグラファーのみなさん方および友人の小林直博くん(鶴と亀)にもご協力いただき、たくさんの素敵な写真を使わせてもらうことができました。
ということで、この場を借りてりんごフォトグラファーズの皆様をご紹介させていただきましょう!(以下敬称略)
[Photo] 折井康弘/平林岳志(grasshopper)/みやちとーる(ステキ工房)/Takanori Tsukiji(STARSERVERCLUB)/石本一人旅/樋口隆宏/豊永拓万/古厩志帆/Naka hashimoto(COUDO)/阿部勝規/齋藤暁経/渡邉和弘/Jun Katayama/中村あかり(東放学園)
[Movie] 藤井大輔/ツノダイチロウ/丹澤由棋/磯部真也/吉川吏功(東放学園)/西野洋平(東放学園)
各方面に呼びかけたところいろいろなコメントをいただけたので、そちらも続けてご紹介していきたいと思います。(ちなみに取得した声なんですが、東京都と長野県在住の人しかいませんでした。偶然です。)
空気おいしいよね!あと、なんだかんだ晴れるよね!ポップな秘境!(T田さん・東京都)
自然の中で音楽を聴くという体験を身をもって感じられる。自立したステージ一つ一つに、お客さんがついてる。自然しかない空間だからなおさら、人が解放された気持ちになるのだと思う!りんご音楽祭は人の心意気で成り立ってると思う。アーティストも、お客さんありきでライブしている感じがいい。初めての人とも仲良くなれるしね。(M田さん・東京都)
りんごは、住んでる地域で友達たちがやっているデカいイベントくらいな感じかも。でもその感じでいつも適当に遊びにいくとすごくいいし、そういういい内輪ノリが拡大した空気が外から来るお客さんにとっても決して嫌な感じになっているんじゃなくて、むしろうりになっているのがすごいって感じじゃないかな。(N美さん・長野県)
ボランティアスタッフとして参加したからかもしれないけど、人との距離が近かったような!
つながりやすさがあったと思う。
後は出店がクオリティ高かったのと、うるさい人がいなかった(笑)。ごはんも美味しかったし、オリジナルグッズもすごく可愛かった。
フェス自体が初めてだったんだけど、私も参加していいんやなという安心感があったなー。(H本さん・東京都)
I enjoyed the Ringo Music Festival for several reasons. Mainly because the people were amazing. Even though we couldn't communicate well because of the language barrier, everyone I met that day was kind and tried to converse with me. (Mさん・長野県)
第2回から毎年出ているのでいつもタダで参加させてもらってます。見知った友人とワイワイしたり、1人たそがれたり、好き勝手遊べるのがよいです。回を重ねるごとに来場者が増え、広々ゆったりできなくなるのは惜しいですが、活気あふれる様をみるのはイイですね。 出演者なのに警備員させられることももうないのか…?(いくまさん/ぐっとクルー)
りんごの面白さは、お客さんとアーティストの距離がいちばんちかいところかな。あとブッキングのバランス感覚が唯一無二!(コムアイさん/水曜日のカンパネラ)
個人的には昨年の掟ポルシェさんのホテルのエピソードが忘れられなかったため、会場で掟さんにお会いした際に「今年は宿泊されるんですか」と伺ったところ、「まだ宿は取っていません」とおっしゃっていたので、「中夜祭でみんなで遊びましょう」と言ったらそっと断られました(笑)。
あのあとどうなったんだろう…?
どの場面もとても素晴らしい瞬間でしたが、自分の中でとりわけ印象的だったのが2日目のクライマックス。
りんごステージではTHA BLUE HERBのライブパフォーマンスが行われていました。
エモーショナルに繰り出される力強いことばの数々。
素敵なライブに行くとアーティストと自分だけになったかのような高揚感が味わえることもありますが、BOSS THE MCさんの一言一言が会場全体をふるわせ、その場にいた全員を大きな一体感で包んでいたように見えました。
馴染みのない土地で体感するライブも素晴らしい高揚感がありますが、自分たちの知っている場所・知っている人たちがこれだけ多く関わっているフェスのクライマックスにおいて、名も知らぬ数多のお客さんたちと一緒に会場の空気を揺らすことのできる感動や一体感は、これまでに感じたことのないものでした。
今日までみんなが準備してきた様々なことや、松本の人たちのことや、各地から遊びに来てくれた方々のことを思い、気がつくと大きく心動かされていました。
自分の中で、何かが確実に変化したと思います。
みんな〜
さまざまな人が松本市に一同に会する理由やきっかけとなるりんご音楽祭。
毎年思わぬ出会いや忘れがたい思い出が生まれ、多くの人生がひとつの場所で交錯していく感動があります。
普段過ごしているこの街が、まるで全然ちがった場所のようです。
会いたい人をみんな呼びたいフェスだな〜
松本市で暮らす自分にとっては、りんご音楽祭はこれだけ大規模になってもまだ「みんなの顔が見えるイベント」の延長のような感覚があります。
しかし、単なる音楽鑑賞の場だけにとどまらず、深い交流や出会いに溢れていると感じています。
自分はただの市民に過ぎないのですが、りんご音楽祭に来場してくださった方の一人でも多くが、何か心に残して帰っていただけたらなという気持ちになります。
見逃してしまったあのアーティスト、体力が続かなくて参加できなかったあのイベント…などなど、思い残すところも多いかもしれません。
その思いがまた、来年も会場へと足を運ばせるのかも。
さて、2017年のりんご音楽祭は第10回目。果たしてどう変わっていくのでしょうか。
来年もみなさまにお会いできるのを楽しみにしております。
それではまた次回、ごきげんよう〜!
(記事・イラスト:えづれ 写真提供:りんご音楽祭実行委員会、小林直博)
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